欧州でいま、新しい支払い方法が盛り上がり始めています。
その形態は、腕輪。
スペインの大手銀行カイシャバンクは、今月より15,000名に向けて、腕輪を無償で配るとのこと。この腕輪、中身としては非接触型のデビットカードとなっており、利用者は対応するお店の機器に腕を近づけるだけで、支払いが完了します。
20ユーロ(約2,700円)までの取引であれば暗証番号の入力も不要。一方で、不幸にも腕輪が盗まれてしまった場合にも、発生した被害を銀行が保障してくれるそうです。
元々、スペインでは非接触型のデビットカードの普及が増えており、中でもカイシャバンクは同形態のカードを20万枚以上配布しているとのこと。この数は欧州全体の16%のシェアに相当するそうです。
そんな同銀行は他にも、今年のはじめに、Google Glass向けにアプリを提供する等、「ウェアラブル・バンキング」と称して新しい「ヒトと銀行の関係」を積極的に模索しているようです。
その機能はまだ、メガネ経由で両替レートを見たり、銀行店舗の場所を探すあたりに留まっていますが、とにかく前のめりに、Techyに業界のあり方を求める姿には好感が持てます。
ウェアラブル・バンキングの例は、これだけではありません。
同様の取り組みは、英国の老舗銀行バークレイズも提供しています。
バークレイズはbPayという名前で、同じく決済用の腕輪を提供しています。
もっとも、こちらはプリペイド型のカードとなるため、どちらかというと日本のおサイフケータイに近いものともいえます。
これらの腕輪の例を見ると、小額決済には便利さだけでなく、ファッションという側面もあるのかもしれません。
個性の一部として決済手段を「着よう」といった垢抜け感が、醸されているようにも見えます。
現金のみならずカードもどんどんICチップやサーバーの情報に置き換えられていく中で、遠い将来には「財布」の存在意義も、従来の重厚感や安定感から、よりお洒落さの追求へとシフトしていくのかもしれません。
外見だけでなく、「中身の情報」も効果な腕輪をねだられる未来が待っていると思うと、夜も寝られません。
写真、キャプチャはCaixabankプレスリリースより