マクラーレンとKPMGが異色の提携

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あのマクラーレンが、世界最大級の会計事務所KPMGと今週20日、戦略的提携を発表しました。

この組み合わせを見ると、マクラーレンがレースに勝つために、会計事務所のノウハウが、というイメージを持ちますが、実際には方向は逆。

マクラーレンの分析能力を、KPMGの監査や助言業務に活かそう、という取り組みです。

今回、提携の主眼となっているのは、マクラーレンのデータ技術部門 McLaren Applied Technologies(MAT)社。

MAT社では、従来からレースに勝つため、車内に多くの計測装置を設置し、ビッグデータ分析に予算を投じてきました。

精密な車体を極限まで効率的に用いるために蓄積されたナレッジは、その延長線で、製薬業や医療法人の監視システムや、鉄道の測定システムの開発・供給にもつながっていたとのこと。

特に、その強みの一つとしては、過去ではなく、将来予測を行う分析力が挙げられるそうです。KPMGの幹部はFT紙による取材で「(MAC社の)多面的な予測能力は抜きん出ており、監査業務を行うにあたって、特にノイズとなる膨大なデータが問題となる、企業の継続性や、のれんの分析に向けた能力が向上することになる」と述べています。

一方で、監査法人の用いるモデルは、過去の分析には秀でているものの、主観的な分析が多く、将来の予測に弱いとの批判を受けてきました。

今後は、「本当の爆速」経営で、より複雑な経営シナリオの分析や、会社の経営を揺るがしうるイベントに対して、事前のアラートが出しやすくなる世界が待っているのかもしれません。

弊社も、レッドブルに依存せず、データ分析においてお役に立てるよう頑張ってまいります。

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