経済に向けた想像力を高める小説3選

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本投稿は、マネーフォワードの最年長エンジニアのブログに影響を受けております。

経済やお金の世界を理解していくにあたっては、基礎的な知識が色々と求められます。

しかし、それよりも大事かもしれないのは、視点を大きく持ったり、物事の背景となる文脈を考えたり、同じ現象を異なるインセンティブを持った人がどう見るかに対する想像力かもしれません。

以下では、想像力を深めていく上で、筆者が独善的にお勧めする本3選をお送りします。

五分後の世界:村上龍(1994年)

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村上龍の最高作品とも言われる本作。舞台は、連合国に日本軍がゲリラ戦を続ける世界。
パラレルワールドという、フィクションの強力ツールを活かしながらも、小さな社会の前提が一つ変わると、どういう視点がもたらされるのか、を深く考えさせられます。
村上氏のプラグマティックな経済観が強い説得力を持つ中、純粋にハードボイルドな書き物としての爽快感もあり、お勧めです。

こちらが気に入ったら、次は半島を出よ、をどうぞ。

ライアーズ・ポーカー:マイケル・ルイス(1989年)

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稀代のライター、マイケル・ルイスのデビュー作。
世界に証券化商品が生み出され、それがウォール街を変えていく中で、新米の社会人だったルイスがその中でどう考えていったのかが、面白おかしくも展開していく自伝。
激しくお金を生むビジネスが、組織や人がどのような影響を受けていくのか、臨場感溢れる筆致で読むことができる一冊です。
 
こちらが気に入ったら、次はビッグ・ショート、をどうぞ。
 
 

通貨が堕落するとき:木村剛(2000年)

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かれこれ2000年ころから、日本の財政破綻と悪性インフレをテーマに、このような小説を書いていた木村氏。
財政問題を考える時に必須となる、国や社会としてのトレードオフは、今の世界ではどの辺にあるんだろう、という想像力を高めさせてくれます。
本作の内容以上に、著者はドラマチックな転身その後迎えられますが、本作の内容も、日本の経済環境が早送りにするとどのような展開を迎えうるのかを、肌感覚として与えてくれます。
 
 
 
上記はもちろん、独善的なセレクションですが、このような視点で他の本も読んでいくと、作品そのもののカタルシスの裏に、主人公や著者が経済に対してどのような捉え方をしているのか、がだんだんと伝わってきます。

そんな捉え方とはきっとまた異なるであろう、読者側の社会観。
これらを対比していくことで、ちょっとずつお金や経済のセンスは磨かれていくのかな、と思います。

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