注目の骨太Fintechベンチャーたち

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今週、サンフランシスコでThe Future of Money and Technologyというカンファレンスが開催されました。

その名の通り、内容はテクノロジーと金融の未来について。

同カンファレンスにはFintechベンチャーのコンテストがありますが、今年は本格派の骨太なベンチャー5社が入選しました。
 

Fintechベンチャー5選

Linqto

Linqtoは銀行向けに、顧客とのコミュニケーションプラットフォームを展開しています。

同プラットフォームは、意外と伝統的(非テック?)な内容ですが、銀行の店舗における窓口業務を、ビデオチャットにて解消できる方法です。
ユーザーは、インターネットバンキングを利用しつつ、操作が分からなくなった場合には、ビデオチャットで直接行員と話すことができるため、より信頼性の高いサービスを提供可能になるとのこと。

Linqto

詳しくは動画もご参照ください。
 
 

CrowdCurity

CrowdCurityは、セキュリティ技術のマーケットプレイスです、というと分かりづらいですが、セキュリティ検査のクラウドソース市場を展開しています。

提供しているサービスは二種類。

1.自社のサービスに対して「バグ・バウンティ」(懸賞金)と呼ばれる金額をセットし、世の中の多くのセキュリティ専門家に検査してもらうサービス
2. 第一級の技術者たちに固定額でサービスの保守・監査をしてもらえるサービス

croudcurity

軽微なバグには50ドル、中規模300ドル、重大なものは1,000ドル、といった形で(値段は変更可能)、セキュリティ監査を問題発生ベースで支払えるので、コストパフォーマンスを追求するサービス提供会社、腕に覚えのあるエンジニアにはメリットの多い仕組み、と言えそうです。

trustingsocial

Trusting Socialは、米国では一般的となったクレジットスコアを代替することを目指すベンチャー。

ソーシャルデータ、ウェブデータ、電話代の支払い履歴などから、借入を行おうとしている法人・個人が本人であるか、信頼できる人であるか、返済できる人であるか、という判定を学歴や行動履歴などから行うものとなっています。

将来的な使われ方はまだ不明な点が多いですが、すぐに信用供与を行うための情報が得られる点は、ECサイトや細かな支払いにおいて、大きなゲームチェンジャーとなる可能性があります。

ちなみに、この画面から、ものの数秒で自分のスコアも計算することが可能です(要FacebookのID)。
 
 

xignite

xigniteは、金融市場データをとりまとめるAPIビジネスです。

従来からある株価や企業業績、投資信託および債券や先物のデータをAPIで提供する、というある意味シンプルなデータベンダー。

他の大手ベンダーに比べれば割安で、リアルタイムの情報を提供しています。BettermentやSigFig、PersonalCapitalといったシリコンバレーのFinTech銘柄は軒並み同社の顧客となっているとのこと。
 
 

CUneXus

CUneXusは銀行向けに顧客管理ツールを提供するベンチャ-。
特に、個別のお客さまにどれくらいの追加的な貸付が可能であるのかを瞬時に計算することができるようです。

cunexus

位置情報サービスと、与信情報を組み合わせることにより、例えば車の販売店に入店した際には、どの値段までの車を買うことができるのかを、金融機関側としてプッシュ通知することができるなど、場合によっては「物欲」をそのまま叶えさせてしまうツールになるのかもしれません。

現在パイロット的にいくつかの信用組合との取り組みを行っている中、既に大きな成果が生まれている模様です。

まとめ

通常、西海岸のスタートアップコンテストでも、Fintechではまだテスト段階・用途が見えなかったり、といったプレーヤーが多い中、上記のベンチャーはいずれもマーケットが明確だったり、既にB2Bの採用実績が豊富であったりと、骨太なラインナップである印象を受けます。

セキュリティとマーケティング、テラー業務といった、伝統的なプレーヤーのニーズに向けて、実直なソリューションを提供していくこれらのプレーヤーは、徐々に産業の構図を変えていく注目されるべき存在といえます。

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