ピーター・ティールが大麻産業に投資

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Privateerの投資先、Marley Naturalの創業者 セデラ・マーリィ

ピーター・ティールといえば昨年、著作でも一気に有名になった起業家/投資家です。
同氏は採用面接において「賛成する人がほとんどいない、重要な真実はなんだろう?」という問いを立てることでも知られています。

そんな同氏が運用するベンチャー投資ファンド、Founders Fundが最近、大麻産業への投資を行っていることが注目を集めています。

Founders Fundが投資を行った先は、Privateer Holdingsという、大麻産業の様々な事業でポートフォリオを保有する投資会社です。Privateerは今後数週間の中で、同ファンドを含めて75百万ドルの投資を受け入れる見込みです。

同社が手がけるのは、(当然ながら)合法の大麻産業。今後、米国を中心に、大麻が違法な扱いから、合法に管理されていく流れに乗ろうとするプレーヤーです。

ウェブサイトでは、大麻にはネガティブなイメージや、不健全なビジネス慣行の印象がある中で、質と純度の高い、信頼できる医療用の大麻を届けることで、社会的にも意味のあるリターンを生むことができる、と述べています。特に、プロが栽培し、安全に封入する、高品質の大麻が、消費者の選択肢に加わることは大切だとしています。

Privateer社が具体的に行っている投資先事業としては、以下があります。

Marley Natural:麻を使った商品やアクセサリーを営む、ボブ・マーリィの娘との合同事業。

Leafly:月間400万MAUの大麻界の口コミサイト。

Tilray:カナダにおける医療用大麻の郵送サービス。昨年は3.5万パックを出荷。

米国では、2014年1月から、医療目的以外での、大麻の合法化がコロラド州で認められました。
米国では連邦レベルでは違法な扱いを受けているものの、ワシントン州がこの流れに続き、近いうちにはオレゴン、アラスカ、ワシントンDCでも合法化される見通しとのこと。

この合法化に向けた動きは、単に嗜好品としての目的が支持を得ているのではなく、法的な管理を可能とすることで、犯罪を抑止し、また、厳しい状態が続く地方財政が大麻を通じた税収を必要としていることも背景にあります。

その結果、現状24億ドルと言われている合法の大麻市場は、将来的には400-500億ドルの巨大な市場規模が生まれる見込みもあるとされます。

とはいえ、新規性もあるが、懸念も多いこの産業。
Founders Fundもこの産業に投資を行うまでには、ベンチャー投資では稀有かもしれない一年半を要したとされています。

その中にいる起業家は、違法なビジネス運営をしていた可能性があるか、手っ取り早く大きく儲けたい人たちばかりだったとのこと。そのような中でPrivateer社は、法的な背景について見事なまでに理解をし、かつ、求められた情報開示をすべて行ったことが、投資決定につながった、と述べています。

「賛成する人がほとんどいない、重要な真実はなんだろう?」

まだ多くの議論が残る大麻産業ですが、一つの異なる真実をティールは評価しているのかもしれません。

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