2014年のFintech投資は2012年比で5倍

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米コンサルティング会社のアクセンチュアは昨日、Fintechに関する調査レポートを発表しました。
同レポートでは2014年中に見られた投資の大幅な拡大と、既存の金融機関の対応に焦点を当てています。

中でも耳目を集めるトピックとして、2012年に比べて2014年の投資額が、世界全体でおよそ5倍の約1.4兆円に上ったことを述べています。

Fintech産業向けに向けた新規投資額は2010-2012年度までは2,000億円前後となっていました。この金額は、近年のFintech産業の拡大とともに増加し、2013年には約4,500億円、2014年には約1.4兆円まで拡大しています。

2014年に増加した特殊要因としては、PEファンドのKKRが決済プロセシング会社ファーストデータに約4,000億円を投資したことのほか、本ブログでも取り上げたLending Clubが上場に伴い約900億円を調達したことが上げられますが、これらの特殊要因を引いてもなお、2012年と比べると3-4倍程度の投資がFintech産業には行われています。

アクセンチュアはこの増加傾向を受けて、金融機関にとっての二つの未来シナリオを提示しています。

1.デジタルな破壊

銀行は商品を中心としたセールス姿勢を変えず、新たな参入者に対して、効率的なサービスを提供する戦いに破れる。その結果、コモディティ化が進む産業の中で、縮小するパイを奪い合う競争に突入する

2.デジタルな再構築

技術的なイノベーションはビジネスモデルのレベルで優先順位が高められ、経営の焦点は、独占的な地位を維持することから、顧客の人生を楽にする方向へと移行する。
銀行は、インフラを持つという側面においては短期的に優位だが、長期的な付加価値はデジタル時代の顧客満足度を解決できるかにかかっている。

ロンドンやニューヨークでFintech用のラボを提供する同社のポジショントークもありますが、このような表現が許されるレベルで、Fintechの影響力が意識され始めた、ということがいえるのかもしれません。

短くも示唆に富むこのレポート、ぜひご一読をおすすめします。

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