ついにベールを脱ぐ巨大ベンチャーDomo

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今週、米国で経営情報プラットフォームを提供するDomoが2億ドル(約240億円)の資金調達を実施しました。

既に600名の従業員がおり、累計で4.5億ドル(約540億円)の調達を実施している中で、同社が特殊といえるのは、未だ、サービスが「ステルス状態」(サービスが一般には公開されていない)にあることです。

Domo(どーも、と呼びます)は、元オムニチュア社の創業者であるジョシュ・ジェームズ氏が創業した、いわゆる「ビジネス・インテリジェンス」と呼ばれるジャンルのメガベンチャーです。

その内容はいまだ、多くがヴェールに包まれているものとなります。既に日本においても、利用事例が出ていますが、これまでも多く存在していたKPIを表示するプラットフォームに加えて、TwitterやFacebookを含む300以上のデータソースから、意思決定のサインとなる情報を集め、選択することを可能とするサービスとなっています。

この動きは、データのアグリゲーションと、見えやすい表示という、FintechにおけるPFMの扱いとも似たものといえます。ただし、従来は一旦(マネジメント同士での)報告、というプロセスが挟まっていた点を、自動化してしまうことで中抜きする仕組み、といえるのかもしれません。たしかに、マネジメントを中抜きできるのであれば、結構なお金を払っても良いのでは、という価格帯が可能となってきます。

冒頭に述べたように、Domoはこれまで「ステルス状態」にてサービスを運用してきました。利用ユーザーとは秘密保持契約を結ぶことで、競合となりうるサービスに対して、有利なスタートを得ることにつながったとしています。

このような、ステルスモードのまま、ビジネスを拡大する例は、B2Bの領域では珍しくありません。例えば、2014年にSalesforce社が買収を行ったRelateIQ社は、400億円にも上る買収が行われるまで、結局サービスを公開せずにいました。データ分析の切り口や、営業の特色等が付加価値となるビジネスモデルでは、このような戦略も、一つの選択肢といえるのかもしれません。

ちなみに、Domoの社名は、日本語から来ています。
ジョシュ・ジェームズ氏は日本好きであり、Domo社はなんと、その前はShacho Inc.という名前でした。

社長、どうも

という言葉からは想像がつかないくらい深いデータ分析の世界がある中で、中抜きの対象とならないよう、マネジメントも頑張らないといけませんね。

※画像はDomo社サイトより。

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