口座がなくてもOK?新種の給与計算サービスDoPay

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英国発の、貧困問題すら解決しようとする給与計算サービスが話題を集めています。

クラウド給与計算サービスを提供するDoPayは今週、シード投資家及びPEファンドから合計2百万ドルの投資受け入れで合意したと報じられています。

同サービスの大きな特徴は、給与支払いを受ける社員に向けて、直接チャージ用のデビットカードを付与する点です。

日本ではなかなか想像しづらいですが、海外では銀行口座を信用力や手数料負担を理由として持つことができない、Unbankedと呼ばれる層が一定数存在しています。

その多くは貧困問題に由来するものとなりますが、そのような人たちにとっては、貯蓄手段は現金そのものとなってしまうため、目標に向けて貯蓄する、といった習慣から遠ざかるものとなります。

この事自体が更なる貧困を生むことは昔から社会問題として捉えられてきました。しかし、どのような人でも、働いている限り給与は得られるもの。

この点に着目し、DoPayは給与発生の時点でちゃんと金融機関との接点が生まれるような工夫を行っています。具体的には、口座を持たない人にはデビットカードを付与し、従業員が現金で給与を受け取らなくても済む方法を編み出しました。そしてこのことは、雇用者側にとっても「現金で支払う」という手間が軽減できます。

本サービスを活用することで、多くの従業員が初めて金融機関の口座を手にすることになります。
スマートフォン用のアプリを提供するほか、スマホ代自体を捻出することが難しいユーザーには電話で残高照会できるサービスも提供しています。

更に驚くべきはその参入マーケットであり、英国の会社であるにも関わらず、最初のマーケットはエジプトになるとのこと。

すでに数社が試験的に導入を進めている中、同社は6月の正式版リリースに向けて調達した資金を活用していくとのこと。今後は更に、中東・アフリカ及びインドへの参入を目論み、20億人のマーケットをターゲットととしていくようです。

DoPayは現在、FinTechにおいて世界的に注目を集めているロンドンにある、バークレイズが運営していたアクセラレータープログラムの卒業生となります。

当初は話題先行のイメージもあったロンドンのFinTechですが、このような全く新しいアプローチを持って、貧困問題も解決しようとするプレーヤーが今後も生まれてくるのを考えると、大変楽しみな展開といえます。

なお、弊社もクラウド給与計算サービスをβ版でご提供開始しております。

デビットカードはついてきませんが、無料でお試し頂けますので、ぜひご利用を検討下さい。

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