銀行とソーシャルレンディングの領域融合

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metrobank

今週19日、英国の新興銀行メトロバンクが、英国のソーシャルレンディング大手Zopaを経由して貸出を行う提携プランを発表しました。


メトロバンクは、米国でユーザー第一主義の銀行となったコマースバンクの創業者ヴァーノン・ヒルが英国で創業した、2010年生まれの新しい銀行です。現在20万口座を抱え、25支店を展開しています。

英国の本流の銀行としては実に100年ぶりに設立された中、週7日営業していることや、メトロバンクは大きな注目をこれまでも集めてきました。

同行は今回、Zopaが抱える潜在的な借り手に対して、Zopaのプラットフォームを経由して直接貸付を行う形になります。Zopaが新たな貸し手を求める一方で、メトロバンクに5,600億円の預金残高の半分程度のみが貸し出しに回っている状況であることから、両者のニーズがマッチし、革新的なパートナーシップが出来上がった形、ということができそうです。

このような動きの背景には、ソーシャルレンディングにおいて、機関投資家や金融機関自身が、通常の貸し手として台頭してきたことがあります。

米国では既に、レンディングクラブ社が複数の銀行と提携し、ファンディングサークル社もRBSやサンタンデールといった銀行とパートナーシップを結んでいます。

ソーシャルレンディングはもはや、P2Pでのマッチングという業態から、ビッグデータを用いた借り手の供給チャネルへと変容しつつあります。新しいチャネルという特色から脱却し、銀行貸付の新しい中抜き(つまり、直接金融そのもの)の形として、進化の過渡期を私たちは見ている状態になります。

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