PayPalの時価総額は5.3兆円?

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PayPalは今後、現在の親会社eBayより分離され、独立した上場会社となる予定ですが、その会社についている評価額が波紋を読んでいます。

米国株式市場のナスダックでは7月6日より、「実際に発行された場合の株価」の取引が始められ、初日は一株当たり36.5ドルという価格が付けられました(本稿執筆現在では34.5ドル近辺)。

これは、時価総額に換算すると440億ドル(約5.3兆円)に相当しており、現在のeBayの価値自体の60%に相当しているとのこと。日本における類似の評価の企業といえば、日産自動車やキヤノンなどに匹敵しています。

PayPalは、今やベンチャー界の王様的存在である、イーロン・マスクとピーター・ティールがお互いの会社を対等合併した後、2002年に上場、同年後半にeBayに15億ドルで売却された経緯を持ちます。現在の評価額を見るに、過去13年間の間でその株式の価値は30倍にも拡大した形となります。

2002年の買収当時は、ECモールeBayがその決済手段の一つとしてPayPalを有望視しているという体裁でしたが、今や決済会社としての価値が、本体の1.5倍もの価値があるとしてみなされている形となります(無論、今後分離時にeBayの価値が想定ほど下がらない可能性もあります)。

今回の分離上場の背景には、とはいえFintechの決済分野で様々なプレーヤーの動きがある中で、eBayが一緒に買収されるようなケースを除くことや、Apple Payなどの潜在的な競合のリスクとeBayの経営リスクが同列で取引されることへの批判もあったとされます

2002年当時は数千万ドルだった売上規模は、2014年度では80億ドル以上(しかも年率19%成長)に、純利益も3-9億ドルにてここ数年は推移しており、金融機関として十分な収益規模を持つに至りました。Fintech企業もストック型に近い特性を活かして、大きな成長が得られる好例といえるのかもしれません。

とはいえ、ティール、マスクの二人はその後、テスラやFacebookその他PayPalマフィア企業への投資により、おそらく30倍以上のリターンを得ています。

この超人ぶりには、さすがのFintechの勢いも追いつくのは難しいのかもしれません。

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