金融コンプライアンスベンチャーが90億円調達

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Fenergo

アイルランドに本拠を置き、金融機関に法令遵守(コンプライアンス)のシステムを提供するベンチャーFenergoは、$75m(約90億円)の資金調達で合意したことを発表しました。

Fenergoは法令遵守(コンプライアンス)や、顧客の情報管理、手続きの確認などを統合的に管理するソフトを提供する、設立6年目のベンチャーです。

投資銀行やプライベートバンクに向けたサービス提供に強みを有する同社は、とりわけ「顧客の登録」に関する必要情報を確認する領域において、強みを発揮している模様です。

同社はこれまで、約6億円の資本金で展開を行ってきましたが、今回、PEファンドから巨額の資金調達を行ったことで、海外展開を本格化するほか、研修機関Fenergo Universityといった教育・コンサルティングプログラムを強化し、自らのエコシステムを育成していく予定です。

コンプライアンスは、金融機関にとっては当然満たすべきものという位置づけである一方で、内外を問わず規制は複雑化しています。

特に2008年の金融危機を受けて米国主導で国際的な規制の展開が行われている中、欧州連合やアジア、個別国等の様々なレイヤーでの規制が加わったため、その内容を遵守するコストに対しても多くの「予算」が割かれるようになりました。

Fenergoは、その中でも顧客の新規登録という、一側面に注目して展開を行っている形となります。独自の切り口が評価され、北米を中心に大手の銀行を顧客とし、そのスタンダードを築いてきた形となる中で、更なる海外展開を標榜している形となります。

このように、元々規模が巨大な金融産業では、個別のプロセスを切り出すだけでも大きなビジネスチャンスがあります。

Fintech領域の中でもあまり注目されることがないコンプライアンス領域ですが、細かい視点でも大きく成長するベンチャーはこれからもみられることでしょう。

※画像はFenergo社サイトより

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