ブロックチェーン社会の先端はエストニア?|Fintech(フィンテック)研究所

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米国時間の13日、米証券取引所ナスダックが、エストニアにてブロックチェーン技術を社会インフラとして導入していくことが明らかとなりました。

同社幹部が明らかにしたのは、既にこれまで米国で進めていた未公開株式の流通プラットフォームにおけるブロックチェーンの活用に加え、様々な公的手続きにもブロックチェーンを活用することが可能であるかのテストを、エストニアで実施することです。

ナスダックは、かねてよりエストニア政府より、会社登記や公的年金の登録、議決権行使などに関する登録業務を受託しており、同国の社会インフラにブロックチェーンを導入することで、効率的な運用が可能であるかをテストしていくこととなります。Open Assetsというビットコイン型のブロックチェーンプロトコルを用いて、この開発は行われていく見込みとのこと。

小国で多数の島からなるエストニアは、行政を行うための労働力やコストを節減するため、結果として「税理士が消えた」という表現でも有名になるほど、大幅な政府機能の電子化を進めています。

大量のパソコンにデータを置き、データを分散させることで壊すことができないネットワークを作り、信頼性の高い情報を残すブロックチェーンのシステムは、証券取引や、登記に関する台帳管理方法として相性が良く、1つの場所に厳重にデータを管理するという従来の方法よりも適切である可能性があるものと考えられています。

ナスダックが既に子会社として保有する、エストニアのタリン証券取引所やエストニア証券保管振替機構における取引管理システムなどでも、いずれはブロックチェーンを用いたシステムに取って代わられるのかもしれません。

エストニアでは他にも、LHV銀行が既にCuberという名称の送金アプリの他、同名のブロックチェーンを用いた証券を作ろうとしています。Cuberとは「Cryptographic Universal Blockchain Entered Receivables」の略であり、意訳すればブロックチェーン担保型債権、となります。

CuberはLHV銀行とスウェーデンのカラードコイン(ブロックチェーンの一種)開発会社と共同で開発が行っており、いずれ同行は同債権による取引を行っていく意向とのこと。

このように、IT立国でもあるエストニアでは、ブロックチェーンによる社会制度を実験していく動きが見られています。その信頼性や圧倒的なコスト優位性が現に実証される中で、同様に人口問題を抱える日本でもブロックチェーンのインフラ技術への活用が検討される日が来るかもしれません。。

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