アプリ銀行Atom Bankが本格展開を開始|Fintech(フィンテック)研究所

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英国初のデジタルバンクであるAtom Bankは今週、スペインの銀行大手BBVAとの間での大型の資本提携を発表しました。

Atom Bankは以前にも当ブログでもご紹介したように、ウェブサイトすら使わずに金融機能を提供する「アプリ銀行」と呼べるプレーヤーになります。6月の免許認可以来、100人を超える従業員規模にまで成長を遂げてきました。

一方で、BBVAはスペインの大手銀行であると共に、頭取が「BBVAは将来ソフトウェアの会社になる」と明言するほどのFintech重視銀行であり、過去にも米銀行アプリSimpleを買収(こちらの資料のp27参照)するなど、この領域では非常に有名なプレーヤー。

今回のラウンドで同行は、29.5%の持ち分に向けて45百万ポンドの株式発行を行っています。単純計算すると時価総額は152百万ポンド(約280億円)とみられる中で、累計では135百万ポンド(約248億円)を調達しており、条件によりますが大半の株式を外部に保有された可能性が高いものとなります。その投資家としては、BRICsという言葉を生み出したJim O’neilなどもいるようです。

Fintechにおいては、これまでもレンディングマーケットプレイスや、ビッグデータレンディングを行うノンバンクを紹介してきましたが、貸出の機能に加えて、預金を受け入れることができる点は、大きな違いとえます。

新たな銀行の誕生は、従来の「貸出金利をより低くできるマーケット」に加えて、「預金金利をより高くできるマーケット」を加える事ができるため、とりわけ2008年の金融危機以降、銀行業への政府サポートが根本的に重要となった中で、訴求力の高い立場となることが可能となっています。

Atom Bankでのログインでは、IDやパスワードすら不要で生体認証のみにより可能になるとのこと。どんどん便利になる銀行業の世界観に対して、いよいよ高まる期待値に、プレーヤーとしてどのように応えていくのかが注目されるところです。

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