Linux Foundationによるブロックチェーン進化PJ|Fintech(フィンテック)研究所

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12月17日、Linuxの成長に取り組むNPOであるThe Linux Foundationは、ブロックチェーン技術への取り組みを行う共同プロジェクトを発表しました。

同プロジェクトには、金融機関やシステムインテグレーター、金融機関プレーヤーを巻き込む動きが顕著なR3に加えて、ドイツ取引所、ロンドン証券取引所、DTCC(米国の証券保管振替機構)、SWIFTなど、公的なインフラを担う機関も創設者として含まれています。

本プロジェクトは、Digital Asset Holdingsが6月に買収したHyperledger社の分散型台帳のブランドを寄付する形で開始しており、企業や大規模インフラの要求に耐えうるセキュリティや堅牢性を担えるアプリケーションやプラットフォーム等を開発していく見込みです。

Hyperledgerは元々、金融機関内部向けの技術として、定義上はビットコインのようなパブリック型ではなく、プライベート型コンセンサスベースの分散型台帳に相当するものであり、その分、様々な自由度や、情報処理のスピードを享受できるものとみられています。

一方でその利便性の反面、ビットコイン等のオープン型の台帳で立証されてきた堅牢性のメリットがないとする指摘などもあります。

ビットコインのエバンジェリストであるクリス・デローズ氏がアメリカンバンカー誌に寄稿した記事によれば、このような台帳はビットコイン技術よりも20年以上遅れたものをベースとしており、シェアード型のデータベースを持つコストもあることから、メリットが限られる観点での指摘を行っています。

今回のLinux Foundationの動きは、オープンソース型、すなわちできるだけパブリックな取り組みの中で、プライベート型コンセンサスベースの台帳技術を改良する取り組みであり、その不足感を埋めていこうとする試みともいえます。

分散型台帳についてはその技術的な真新しさから、実務レベルでは様々な誤解や実利用に向けた躊躇が存在しています。そのような中で、技術としての伝えやすさや、参加者のネームからの信頼感、実態としての改良活動に向けた貢献の量においても、この取り組みはおおいに注目されるべきものといえそうです。

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