電話セキュリティのPindropが90億円の増資|Fintech(フィンテック)研究所

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通話におけるセキュリティ技術を提供するPindropは今週、グーグル・キャピタルからの75百万ドル(約90億円)の増資を受け入れたことを発表しました。

Pindropは、声紋や音質の判定から、電話による本人確認上の不正が行われないようにセキュリティ技術を提供する会社です。同社はこれまでもAndreesen Horowitzなど著名なVCから調達を行ってきた中、累計で1.22億ドル(約146億円)を集めた形になります。

Pindropが得意とするのは、電話の音質から、通話者の同一性や端末などを判定することです。これらの性質を、Pindropでは「電話指紋(Phone Fingerprint)」と呼ばれる指数によって判定し、従来登録した人と一致するかを判定しています。

fingerprint

その概略はこちらの動画から見ることができますが、仮にログイン情報が盗まれ、電話番号などの設定を変えられることで、インターネット口座と確認先の電話が両方とも変更されてしまった場合であっても、最後の砦として「同じ人が電話を受ける」ところで不正送金を阻止することができる、という位置付けになります。

ソーシャルエンジニアリングによって、電話番号やパスワード情報などが奪われてしまったような状態であっても、資産を守るためのこのような最後の砦となる本人確認ツールは国を問わず重要です。

グーグルが同社に投資している点も示唆的ではありますが、セキュアなオンライン取引を確保には、それだけの価値があることを示す一例といえます。

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