やや旧聞に属しますが、2月8日に英国のオープンデータ研究所が、Open Banking Standardと題したレポートを発表しました。
英国では、2014年より同国大蔵省が主導する形で、オープンバンキングAPIに向けた制度面の議論が進んでいます。
そのような中、Open Banking Working Groupと呼ばれる作業部会が2015年9月に設置され、どのような形で借入や運用、貯蓄といった目的に向けたデータ活用があるべきかの調査が行われました。
その成果報告として出てきたのが上記のレポートになります。
レポートの観点としては銀行のAPI化と、そこでのデータ活用が観点となります。そしてその背景として重要な、プライバシーの保護とセキュリティの堅守に向けたガイドラインの必要性を強調しています。
また、API化の中では、銀行のプロダクトがクリエイティブ・コモンズのようなオープンライセンスとなることを一つの提言としており、このことをベースに、ユーザーや開発者が自由に情報へのアクセスを有する制度を担保することを提唱しています。
加えて、開発者コミュニティがAPIの開発に向けて形成されることの重要性を説いており、様々なドキュメントが作成・改良されていくプロセスなどが企図されるものとなっています。
このようなスタンダードが一つ表明されたことは、世界で様々なAPI化に向けた取り組みが進む中でのベンチマークとなっていくことが期待されます。日本においてもAPI化事例が近々生まれうる中、ここで展開される議論への理解は重要といえます。