銀行リボ払いのAffirmが1億ドル調達|Fintech(フィンテック)研究所

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米国で消費者向けの貸付ビジネスを展開するAffirmは今週、1億ドルのシリーズD投資を受け入れることを明らかにしました。

AffirmはPayPalの創業者Max Levchinが2013年に開始した、消費者向けのローンを展開する会社です。同社のユニークな点として、例えばテレビやマットレスなど、金額の大きい消費を行う際に、クレジットカードやデビットカードではなく、Affirmという選択肢を提供します。
 
 
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すると、金利を負担しながら、銀行口座から3-12か月に分けて支払うこととなります。
その金利水準は年率10-30%と設定されており、信用度が高ければ低くなる形となっています。米国ではクレジットカードが発行できない人口もまだまだ多い中で、代替的に信用を提供する手段として、小売を中心とする顧客からの訴求を図っています。いくつかの小売業者ではこの金利を0%と設定することで、キャンペーン効果を狙うものもあるようです。

今回のシリーズDのリード投資家はPeter Thiel率いるFounders Fundであり、Levchinと一緒にPayPalを創業したチームでの友達投資といえる内容です。投資は、夜ご飯一回の間に決まったとされており、Affirmの累計資金調達額(株式及び負債の合計)は4.25億ドルにも達する中、自らの貸付能力をさらに高め、現在129名のチームやM&Aのキャパシティをより高める期待があります。

Affirmの売りはカード発行が困難な人でも、いわゆる「リボ払い」といえる機能を銀行経由で提供していることです。また、この点に加えて、支払遅延が起きた際の高い金利水準や、利用手数料などを排したシンプルさも評価されています。また、借入が米国では標準的といえるクレジットスコアの利用に依存しない仕組みとなっており、Affirmを使ったとしてもクレジットスコアに響かないことも重要な側面といえます。PayPal自体がクレジットスコアへの影響回避の文脈で大きく成長したことに鑑みれば、同様の思想に則ったサービスということもできそうです。

なお、このようなクレジットスコアのあり方については、その本家といえるFICOスコアにおいて新しい展開が見られています。
米国のFintechイベントにおいてFICOは、スコアシミュレーターという機能を今週公表しており、3つの信用情報機関から、様々な金融取引がもたらしうるスコアへの影響を占うものとなっています。同機能はCredit Karmaが既に提供するサービスと同一ともいえますが、より本家における内容が明らかにされることで、事実上今までは秘伝とされてきたレシピの公表にも近い意味を持つのかもしれません。

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