ゴールドマン・サックスのネット銀行

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ゴールドマン・サックスは今週、インターネット銀行であるGS Bankを立ち上げています。

ゴールドマンといえば世界屈指の投資銀行。資産運用の事業も展開していますが、従来は10億円以上の資産を有していないと顧客となれない存在でもありました。
そんな金融機関が現在打ち出しているのは、貯蓄口座における1.05%の金利です。この金利は全米平均の0.06%はもちろん、類似する形態であるAlly Bankの1.00%よりも高い水準となります。

そして、ゴールドマンが今回提供したのは、一ドルから口座開設可能なネット銀行です。
というと、とても新しい取り組みにも見えますが、この取り組みは元々、ゴールドマンが取得したGEキャピタルの事業の一部であった、GEキャピタル銀行の承継資産となります。
同行の預金残高は発足時点で1,140億ドル(約12.4 兆円)あった、そこそこの規模の金融機関となります。ゴールドマンはこの銀行の取り組みを、資金調達元の多様化として位置付ける共に、今後の同社におけるオルタナティブ・レンダーとしての取り組みも支援する可能性も述べています。
同レンダー事業は2016年末には融資業務を開始する見通しとのこと。

資金調達元として銀行預金を有することは、他の市場ベースの調達手段に比べると安定的な手段となります。このような側面を規制当局が好意的に捉えていることもあり、このビジネスの拡大が行われている状況となります。

銀行を傘下に有することは、規制上の対応を多く抱えるものでもありますが、とはいえ多くのビジネス機会を獲得することにもつながる手段となります。
日本でも現在進行形で、法改正がFintechと銀行業の距離を縮めつつある中、ゴールドマンのネット銀行は、日本におけるビジネスの組み合わせを再考する良いチャンスといえるかもしれません。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

SNSでもご購読できます。