アプリ銀行として当ブログでも取り上げてきたAtom Bankは報道によると、1億ドル相当の資金調達を行うものと見られています。
同行は昨年11月にはスペインのBBVAから大型の調達を行っています。既に数万人規模のユーザー登録を得ているものの、まだ赤字でもある中でその急拡大をこの資金によって賄いつつ、今後の融資業務の本格化を行うためにも強いバランスシートを形成することがその狙いにあるとみられています。
上記記事によれば、これまで預金商品(1,2年物の定期預金)のみを展開してきた中、今後住宅ローンも展開し始めるとのこと。また、投資家には同行としては初めての、米国の投資家も含まれるとのことです。サイト上では、それ以外にも2017年には流動性預金やクレジットカードなどの提供が示唆されており、チャレンジャーバンクとして時間がかかりつつも、着実に商品のローンチが見えてきている状態となりました。
Atom Bankはその新しさが注目される一方で、複数の新規形態銀行を立ち上げてきたDNA(米Commerce Bank創業者の立ち上げたMetro Bankの共同創業者、電話専用銀行であるFirst Directの創業者等)が根付いている、ある意味筋金入りのプレーヤーです。このようなシリアル銀行アントレプレナーの挑戦は、今後とも大いに注目されるべき存在といえます。
今週の読んでおくべきニュース
米国下院でSandboxに向けた法案整備に向けた動き
American Banker記事、WSJ記事
タイで中央銀行を中心にSandbox構想が2017年1Qに始動する見込み
10月半ばまでパブリックヒアリングを実施