18歳からのマネーフォワードによせて

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今週、当社の新たな試みとして「18歳からのマネーフォワード」という当社としての新たなプロジェクトの開始をアナウンスさせて頂きました。

マネーフォワードは、持続的なお金の管理を可能とするツールとなることを目指しています。当社のサービスを使い続けることで、家庭を守り、目指す生活像を実現していくための欠かせないツールとなれるよう、日々その改善を続けています。

一方で、お金のリテラシー向上に向けては、これまでもMONEY PLUSなどの自社メディアや、お金のEXPOなどの取り組みを行ってきました。これらは、より便利なサービスや商品の選択肢を、その文脈を含めてご紹介することで、課題解決を身近なものとして感じていただくことを目的とし、今までこのような知識とは縁遠かった方々に向けての伝達を行う場となっています。

その延長で私たちはこれまで、教育の現場においても学習機会を提供できないかについても模索してきました。特に、自己責任が問われる社会に足を踏み出す世代に向けて、正しい量と内容の情報発信ができないか、その結果として、日本の未来を担う若い世代がお金の選択では不安を抱えずに、自分がやりたいこと・やるべきことを追求できるようになる可能性が上がるのではないかということを考えてきました。

自己責任社会という言葉は、重さを伴う概念です。昔のモデルケース的な人生では、いわゆる「良い会社」企業に入社することができれば、終身雇用を前提として年々増える給与と豊かな老後の生活資源を確保することができました。しかし、現代はそのような「良い会社」の存在は、もはやフィクションだと考えられています。また、少子高齢化が、社会保障に対しても同様の役割を期待することを難しくしています。そのため、計画的に資産を貯めて運用し、いざとなれば転職もできるような、様々なリスクとうまく付き合えるような人物像を、私たちは「自己実現ができる人」の想定に置きつつあります。

ただし、実際にそのような意思決定をできる人はかなりの少数派です。人生の様々な判断に際して、自信をもって意思決定を行えるような個人、というのはある意味都合のいい解釈ともいえるのかもしれません。多くの人が、不安ながらも、身の回りの人たちの例や意見を反映しながら、なんとか意思決定をしているというのが、実情ではないでしょうか。

このような環境の中でも、間違った意思決定を避けることができ、どのような選択肢が正しい方向性のものなのか、分からなければ誰にアドバイスを求めれば良いのか。この問いへの答えとなるコンテンツが、一般的な教育カリキュラムの中では不足しているのかもしれません。

学力の国際比較を行うと、日本は数的な思考力では世界でトップレベルに入る国です。一方で、OECDの計測する金融リテラシー指標では世界で38位となっており、そのレベルには大きな改善余地があるといえます。とりわけお金に関する選択の結果が、昔以上に人生における自己実現や豊かな生活の可否に関わるのであれば、その意義はなおさらのことといえます。

このような時代のニーズに、少しでも応えようとするのが今回のプロジェクトです。思いを共にしていただいた聖徳学園様のご協力の下で、まずは授業という形態で伝達を試みようとするものです。効果的に、より多くの人にとってお金のリテラシーを高められるよう、ご提案やお気づきの点などは、ぜひ当研究所(fintech.institute [at] moneyforward.co.jp)までお寄せいただけますと幸いです。

下記の資料も参考までにご覧ください。

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