ドイツの連邦財務省は22日、同国におけるFintech動向をまとめたレポートを公表しています。
英語ベースの要約 をベースにしたポイントは下記です。
- ドイツで運営されているFintech企業は433社、アクティブと確認されているのは346社
- 2015年中の資金調達活動はEUR22億だった。うち、クラウドファンディングが2.7億ユーロ、ソーシャルトレーディングないしロボアドバイザーが3.6億ユーロを占めた。決済プレーヤーは170億ユーロの取引高があった
- 2015年中、独立系PFMツールを120万人が用いた
- 殆どのサブセクターが成長をみせている。特にロボアドバイザーが高い成長率、2007-2015年で10倍に増加
- 2015年時点でのドイツにおける、リーチ可能な市場規模の資産は1.7兆ユーロあると考えられている。3800億ドルの資金調達需要と、1.3兆ユーロの資産管理需要があると考えている。この規模間に対して、現実的なシナリオとしては、2020年までに580億ユーロ、2025年までに970億ユーロ、2035年には1480億ユーロとなるイメージ
- 87%の金融機関が既にFintech企業の協業を行っている
- 現状ではFintech企業は特段のシステミックリスクを包含してはいないが、今後も現在の勢いの中で成長が続くのであれば発生する可能性はある
- 英国に続いて、ドイツは2番目に大きい欧州のFintech市場であり、急速な追いつきをみせている
本編のレポートがドイツ語で書かれていることが残念でならないのですが、Fintechのハブとなっている都市も複数あるなど、市場としての深みが感じられる内容となっています。資金調達額なども、単純に日本の2015年の100‐150億円と比べれば遥かに大きい規模であることが分かります。
先日の担当副大臣の来日時のヒアリングや、主だったドイツ関連企業の方のコメント曰く、ドイツはかなりFintechに対してはシャイなアプローチを取っている印象がありますが、とはいえ元々は産業・金融の両面での大国である中で、新たな市場の台頭は必然ともいえそうです。また、N26に代表されるようなチャレンジャーバンクの台頭も目立つ同国における動向は、現状は単に注目が不足しているのみで、今後大きな成長を秘めているのかもしれません。
今週の読んでおくべきニュース
デロイトのFintechハブ比較レポート
日本への取材がそもそも無い。FINOVATORSとして失態でございます
英国のFintech補助金(年50百万ポンド)
金額は控えめ。
SECでのFintechフォーラムの概略
ブラックロックのホワイトペーパーを参照