Zopaのチャレンジャーバンク設立

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

6月1日、英国のP2Pファイナンス老舗であるZopaは32百万ポンドの資金調達を発表しました。

同社は2005年創業の、P2Pファイナンスの世界における元祖ともいえるサービスです。

今回の調達資金の使途は、銀行を設立するためのインフラ構築に向けたものとされています。同社は昨年9月には黒字化し、11月にはチャレンジャーバンクを設立すると公表、既存のP2Pファイナンスサービスを機能面で補完することを述べています。今年5月には、英国のISA制度において新規に適用可能となった運用商品としてのP2Pファイナンス業態としての認可を得た中で、より、消費者理解の得られる金融機関として、徐々にステップアップを果たしているといえるのかもしれません。

累計で18億ポンドの融資を行い、75百万ポンドの利子を提供してきた同社は、個人向け融資のみを対象としており、投資は分散型のものとなっています。上述のISAにおける商品ではコスト控除後で3.9%の利回りを上げることを目的としたZopa Coreと呼ばれる運用商品と、同様に6.1%の利回りを狙うZopa Plusを提供していますが、銀行設立によって、低利の資金調達手段を確保しながら、より柔軟なサービスを提供できるようになることが見込まれます。

P2Pファイナンスは元々、投資家を集める機能と、融資先を探す機能の両面において、二つのマーケティングコストおよびノウハウを費やしてきた産業です。このノウハウは、銀行のそれ(預金を集め、貸出先を探す)と重なるものであり、12年越しのこの動きは金融の新たな進化形を表すものと言えそうです。

今週の読んでおくべきニュース

HelloWalletをKeyBankがMorningstarから取得
企業向けPFM企業を、同サービスへの最大顧客でもあった米大型地銀が取得。筆者お気に入りの会社でもあります。アメバンの記事も

EDジョーンズによるFintech投資
EDジョーンズの名前に反応するかは投資サービスとは何かを知る上での分水嶺。知らない人は沼田さんの昔のレポート

(宣伝)新著の予約注文を開始しました。6月7日発行です!
FinTech大全 今、世界で起きている金融革命
まだの方はFinTech入門もぜひ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

SNSでもご購読できます。