5月29日付のAmerican Bankerによるオンライン報道によれば、米国のCFPB(消費者金融保護局)はCFTC(米商品先物取引委員会)と共に、規制サンドボックスの実施に向けて動いているようです。
同記事では、CFPBのマルバニー長官による講演において、CFTCと共にサンドボックスプロジェクトを進めている旨が明らかになりました。しかしながら、その詳細はほぼ語られなかったとしています。
原文としても “We are … in the process of putting together, for lack of a better word … a fintech sandbox,” という内容であり、また同時に語ったとされる苦情受付データベースへの言及があったことから、二つの行政機関の重なるところとして、例えばコンプライアンス関連といった仮説を考えることもできるのかもしれません。
一方で、同時に語られている“If you don’t give any regulation at all, it has the chance to go off the rails and completely burn itself out, which is where I was fearing bitcoin was going to a couple months ago if they haven’t already.”という言及からは、やや激しい仮想通貨への懸念感も感じ取ることができます。
米国におけるFintech関連の規制サンドボックスの議論では、今年3月のアリゾナ州政府による動きが最初のものとみられています。そこでは、ブロックチェーンや仮想通貨を含めたFintech関連の実証実験を、1万人の顧客を上限に実施可能とすることを2018年中にも可能とする旨が述べられています。
今や、英国やアラブ首長国連邦、シンガポール、カナダ、オーストラリア等にて実施されているサンドボックス政策は、英国が火付け役となったと思われているものの、設立当初は米CFPBによる規制アプローチを参考にしたものでもあったとされています。本来の米国型のイノベーションのあり方に限らず、ある意味先祖返りしてきたような形での制度設計が、どのような効果を生むものかが注目されます。