英国におけるオープンバンキングの現状

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1か月ほど前のニュースになりますが、英国において制度開始半年が経過した銀行の中間的事業者の状況がOBIE(Open Banking Implementation Entity)より公表されています。

OBIEは競争・市場庁が2016年にオープンバンキングを促進するイニシアチブを公表した際に、実施部隊として設立された組織です。

OBIEの7月12日付けリリースでは、AISP(口座参照型サービス)であるYOLTconsents.onlineが当局のライセンスを受け、同時にロイズ・バンキング・グループが口座情報の提供元となったことなどを皮切りに、36社の中間的事業者がサービス提供を行っていることを述べています。APIの利用自体も5月中は72万回であったのが、6月には120万回となり、Yolt社はユーザーが10万人から30万人になったことが記載されています。

OBIE代表のGulamhuseinwala氏はコメントの中で、「今後も新規参入者が生まれてくる見込みにあり、最終顧客が資金の管理・移動・効率化を図れることが可能となってくる」「顧客体験がより改善するよう、OBIEには今後とも劇的な改良プログラムがある。9月に刊行予定のオープン・バンキング・スタンダードの改定は、その流れを加速する」と述べています。

順調な門出といった印象のあるリリースではありますが、日本の電子決済等代行業のプレーヤー群と比べると、より競争促進的で自己データコントロールに事業モデルが寄っているようにも感じられます。競争政策の一部としてこちらが促進されてきた背景もありますが、同時にオープンバンキングの本質的趣旨が、最終顧客に本位を置いた事業モデルであることを、改めて気づかせるものともいえます。

また、OBIEのサイトを見ると、事業者の参入を手助けするコンテンツが充実しています。一例をあげれば、中間的事業者の登録準備プロセスが丁寧に記載されています。日本の場合、これらの分かりやすさの記載も自主規制機関における役割になるのかもしれませんが、銀行の設立支援と同様に、政府部門が新規参入にウェルカムな姿勢をサイトを使って表明し続けることも、重要なメッセージといえそうです。

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