独RaisinによるMHB Bankの買収

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

預金サービスを比較し、投資の際に金融機関に仲介する金融サービス業者Raisin社(独)がビジネスローンなど貸出業務に強いMHB Bank(独)の買収を発表しています。

Raisin社は運営する7つのプラットフォームにおいて、16万人を超える顧客に向けて、70の金融機関が販売する250以上の投資取引と管理、貯蓄目的の預金サービスなどを仲介しています。その内容として、口座開設の代行や本人確認によるマネーロンダリングを防止するための統一されたインターフェースを提供しています。

MHB Bankはこれまでも、Raisinのサービスを媒介して自社のサービスを提供していましたが、今回、Raisin社が銀行ライセンスを取得する形となることで、シームレスな銀行体験を提供することが可能になると述べています。

Raisinはこれまで、銀行免許を取得していない中で、商品の販促が困難であったと報道されています。買収によってMHB Bankの持つインフラを取得することができ、預金サービスや投資取引など幅広い金融サービスを提供できることとなります。欧州経済領域全域でのサービス提供に向けた取り組みも行えることも、今後は可能となります。また、今回の買収で、モバイル専業銀行N26や通信業を行うTelefonicaとの連携で開発した異なる企業間の財務データの共有サービスも提供可能になるとRaisin社のGeorgadze氏は述べています。

これまでRaisin社は自社商品を有さないプラットフォームとして運営をしてきましたが、インフラ用と目されるものの、規制対象の金融サービス事業がそこに含まれることで、ハイブリッド型のプラットフォームを志向する形にもなります。家電を製造する会社が価格コム傘下に入るようなイメージですと、どことなくプラットフォームとしての中立性が気になるところですが、金融の中でもプレーンバニラなサービスにおいてであれば、アマゾンが電池等のPB商品を持っていることにも似ており、その懸念も薄まるのかもしれません。今回の買収を契機とした今後の成長経路は、引き続き注目されます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

SNSでもご購読できます。