米中小企業支援ローンの運用状況

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4月21日、米国SBA(中小企業庁)が提供する中小企業支援ローン “Paycheck Protection Program”(PPP)の申請が予算の約3,500億ドルに到達し、追加の予算枠が審議されているとForbesが報じています

PPPは中小企業従業員の給与を米国政府が保障するローンとして4月3日に開始されたものですが、4月21日時点でSBAの認定を受けた金融機関やフィンテック企業は5,000以上となり、162万件の申請が承認されています。

一方で、米国全土で承認された融資の処理が多数のため、直ちに実行されないケースも発生しており、融資が実行されるまでのタイムラグの縮小が課題となっています。

そのような中、米国内のローンの承認や実行状況が確認できるサービス “COVID loan tracker”が民間の中小企業の有志により提供されています。アンケートフォームで自社の申請状況を回答することで統計を作成し、州や申請金額毎に融資の実行割合を視覚的に確認できるものとなっています。

COVID loan trackerによると、11,300社以上の中小企業によって約15,600件のローン申請が行われ、約500社が融資を実際に受けています。平均融資額は98,500ドルで支払いには平均8.2日を要すると試算されています(4月23日時点)。

ローンを提供する金融機関は地域銀行が最も多く、実行済み件数の76%を占めています。州ごとの比較では、申請数はカリフォルニア州が最も多いものの、実行件数はテキサス州が最も多いなど、地域特性がみられています。

( “COVID loan tracker”公式サイトより引用)

また、PPPを受け取った企業のうち、約80%が申請した金融機関と既に取引関係にあることが判明しています。当座預金情報やACH送金履歴などを銀行側が既に保有している企業はローンの実行が早い傾向がみられると考えられています。

一方で、地域銀行はローン申請の全てを速やかに実行することは実質的に困難であるため、IntuitOndeckなどに代表されるフィンテック企業を通じたローンの提供と併用することで、素早く実効的な支援が期待されます。

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