米金融機関のAPI化サービスにおける動き

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2020年5月20日付で、米国で金融機関口座へのアクセスを提供するPlaid社は、金融機関におけるAPI提供に向けたプラットフォームを公表しています。

同社の新プラットフォームPlaid Exchangeは、金融機関口座データの参照機能を提供するものですが、顧客のデータが許諾に基づき、どのような対象に共有されたのかを追跡できると強調しています。また、予算や資源に制約を受けずに、拡張性に優れたAPI基盤を、構築及びテスト工数や管理する費用面を含めて提供できると同社プロダクトリードのKarvounis氏はコメントしています。

Plaid Exchangeの提供にあたっては、Kunai社とCore10社が導入パートナーとして挙げられており、小さな金融機関においても、Plaidのサービスを既に利用している2,600社ものエコシステムが利用可能となる形となっています。

APIを利用する側として主たる位置にあるPlaidは、金融機関側にとって接続の仕様やあり方を管理するにあたり、効率的な対応を行うことが可能となるほか、既にPlaidと接続している様々なデータパートナーのニーズにもスムーズに応えられることはこのプラットフォームの大きなメリットと言えそうです。

金融機関が小規模であったとしても、API化を可能とするソリューション提供者は他にも立ち上がりつつあります。

米サンフランシスコに本拠を置くTreasury Prime社は5月5日付で、9百万ドルを資金調達したと報道されています。同社経営陣は、過去には米シリコンバレーバンクに事業売却を行い、同行のAPIエコシステム拡大を率い、担当する預金残高を10倍とする成果を上げていたチームです。Treasury Prime社では、金融機関側の既存のシステム上に、機能(口座開設や支払い、データ参照等)ごとのAPIレイヤーを構築することを可能としています。経営陣が金融機関側の視点を持ち、導入後6-8週間でのサービス提供が可能とする中で、マスターカードや法務契約サービスなど、様々な外部サービスと連携し、預金残高や顧客獲得コストの面ですでに実績を発揮しているようです。

この二つの事例に共通するのは、純粋なソリューション提供者としての動きだけでなく、金融機関側のニーズ理解や、フィンテック側のエコシステムとの接続という「成果」により近い場所で、インフラが構築されている点にあります。日本においても、API接続は一つの節目を迎えつつある中で、このような双方の利便性・メリットを追求する動きは大いに参考できるものと考えています。

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