米ウォルマートのネオバンクサービス

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5月27日付のAmerican Banker紙で、米小売最大手のWalmartがオンラインバンクのGreen Dot Bankとの提携により発行している “Walmart Money Card”の機能を広げ、金融サービス戦略の強化を行っていることが取りあげられています。

Walmart Money Card”は2006年に開始されたオンライン口座とデビットカードを提供するサービスであり、口座の提供や決済に関しては、裏側でGreen Dot Bankのインフラを用いるという形態を採っています。

(引用: Walmart Money Card公式ページより)

サービスの特徴は、Walmart系列の利用で最大3%のキャッシュバックを受けられることや “ASAP Direct Deposit”という給料日前に一定額の融資を受けられるなどが挙げられます。今回、オンライン口座に金利を2%付与し、家族共有のアカウントや追加カードの発行することで、チャレンジャーバンクが提供する預金口座に近いサービスになるとみられています。

 “Walmart Money Card”に金利を付与するに至った背景として、Green Dot Bankのマネージャーであるマイケル・キースラー氏は「アメリカでは貯蓄が十分に行われておらず、より負担の少ない節約と家計管理ができる金融サービスが求められている。今回の機能追加は、オンラインバンキングのサービスと同等のものであり、収益を大きく伸ばすことができるか不透明ではあるが、利用者にとって必要な金融サービスを提供していきたい」と述べています。

Walmartは2020年4月、注文から2時間で配達するサービス “Express Delivery”を開始するなど、EC領域での成長が注目されており、全米で約4000店舗の一部を商品発送のための倉庫として利用するなど配送網を拡大させています。ECとしての機能に加え、決済や預金サービスを提供することでオンラインとオフラインの側面を併せ持つプラットフォーマーとなるのか、今度の動向が注目されます。

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