6月16日、米国で個人向けにクレジットスコアや負債を管理するサービスを提供するCredit Sesameが、カナダのネオバンクであるSTACKの買収完了を発表しています。
Credit Sesameはユーザーがクレジットスコアの管理を行うサービスです。クレジットカードや融資など、保有する債務の比較や、自身のスコアの改善を図ることを目的としたサービスを提供しているほか、ユーザーはクレジットスコアの組成、レポートの作成、カード利用の監視機能などを無料で利用することができます。2020年6月時点の類型調達額は約1億2,100万ドルで、のべ1,500万人に利用されています。
また、同社はデビットカードと決済用口座を合わせた“Sesame Cash”というサービスを2020年3月10日から開始しており、 Community Federal Savings Bankの銀行インフラを用いたサービスを提供しています。同サービスの特徴は、アカウントに現金を入金することでクレジットスコアを改善できるだけでなく、改善の報酬としてSesame Cashから100ポイントの改善で100ドルが預金金利の代わりに支払われるという点です。
Sesame Cashを給与受取口座として利用することで、クレジットスコアや負債管理だけでなく、現金と消費管理など総合的なデジタルバンキングサービスとして利用することが可能となります。
(Credit Sesame公式サイトより引用)
STACKは2016年にカナダで設立されたネオバンクであり、主にミレニアル世代をターゲットとした資産管理サービスと無料で利用可能なデビットカードのほか、ギグワーカーを想定した即時送金サービスなどを提供しています。同社は、カナダにおいてはミレニアル世代が、クレジットカードよりも現金とデビットカードの利用意欲が高いという点に着目し、全国の郵便局や小売店など10,000店舗から対面で口座に入金するサービスを提供しています。
Credit SesameのCEOであるエイドリアン・ナザリ氏は、今回の発表に関し「今回の買収によって、ユーザーがどのようにクレジットスコアを改善し、現金による消費を管理すればよいかという支援が可能になる。また、カナダに拠点を置くSTACKと事業を展開することは当社の国際展開の最初のステップになると考えている」と述べています。
融資などの負債管理と、給与を一箇所で管理する機能はこれまでの決済サービスでもみられましたが、STACKの買収により、同社が得意とする現金管理機能を強化することが可能となります。クレジットスコアを改善し、ユーザーにインセンティブを与え、より良い資産管理の利用体験を提供するサービスがどのような広がりをみせるのか、今後の動向が注目されます。
