GSがオンラインレンダーMarcusをプレローンチ

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昨年の中ごろからNYTWSJで取り上げられてきた、ゴールドマンのオンラインレンダー構想ですが、ついに今週木曜(13日)より、一部のターゲットカスタマーに対する利用可能通知が届き始めたようです。

日本からはアクセス制御された味気ないサイトしか見ることができません。
また、その主旨を書いたリリースでは

・ローンの金額は30,000ドルまで(約300万円)
・期間は2-6年間
・消費者から見たときの「隠れた手数料」が存在しない
・米国ではカードの金利などが勝手に変わることがあるが、Marcusではそこは固定された利率になる
・ユーザーは返済日を月内の好きな日で決めることができる。返済方法も柔軟に設定可能
・ソルトレークシティにて、電話サポートを行うローン専門チームがいる
・ちなみに名前は創業者の一人”Marcus Goldman”からきている

となっており、クレジットカード債務によって返済の悪いサイクルに入ってしまった顧客層に向けて、そこから脱出できる商品を提供しようとする向きが窺えます。多くの消費者が、借入を行う方法としてクレジットカードを用いているのに対し、Marcusではシンプルな個人向け融資の方が良い側面を述べています。

いくつかの記事(BICrowdfundinsiderBloombergNYT)を総合すると

・金利は年5.99~22.99%。平均は12.99%となる見込み
・Marcusのスタッフ数はNYに120名、ソルトレークシティで80名。リテールバンキング、IT産業、GS社内からそれぞれ1/3くらい来てる
・サービスローンチに当たっては1万人近い顧客に対してヒアリングを実施
・今後数百万人の、潜在的顧客に向けて(ローンに申し込める)コードを送付。1万ドル以上のカード負債を持っている人が主な対象
・12回の適切な支払履歴を蓄積すれば、一か月の支払い猶予を受けられるようになる
・FICOスコア660-680以上の顧客(プライム層)を志向
・「負債」という言葉は必要以上にネガティブワードとなっている中で、それをより脅威とは感じないような市場を作っていきたい

ゴールドマン自身、GEが保有していた銀行を買収したことで、ファンディングコストの安い手段を保有している中、投資銀行が商業銀行に対して、ITの側面から競争を仕掛けている、というのが本件の基本的な理解になるのかもしれません。

なお、今回の動きに対しては以前からも様々なIT業界側からの意見も出ています。今後、Marcusが実績を積み上げる中で、その勝率や先行きも見えてくることでしょう。

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