Personal Capital前CEOが手がけるネオバンク

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Personal Capitalの前CEOのビル・ハリス氏が共同設立者兼会長を務める“One”が2020年3月19日にシリーズAで1700万ドルの調達を完了しています。

ビル・ハリス氏は、Intuit、PayPalやPersonal CapitalのCEOなどを歴任し、米国のデジタル金融産業を牽引してきた人物として知られています。同氏が “One”の会長として設立から参画している事も注目を集めている要因となっています。

2018年4月に設立された “One”は資産管理と融資などを1つの口座から統合することで資産の最大化を目指すサービスを提供しています。現在は40人ほどの従業員でβ版のサービスを開始しており、正式リリースは2020年夏に予定しているとのことです。

              (One公式HPより引用)

“One”は、普通預金、定期預金、借入、口座の共有機能を有しており、預金残高に応じて自動的に与信額が算定され、ワンストップで融資が完了する機能を備えています。また、預金に対して普通預金で1%、口座から自動分離する設定が可能な定期預金で3%の金利が付されています。

他にも、家族や任意の第三者と共有し、貯蓄できるアカウントが設定できる事も特徴として挙げられます。預金の一部を分離し、共有設定を行うことで複数人が共同して貯蓄することができるほか、個人事業主などの経費としても利用できるサービスとなっています。

同サービスの口座開設は“One”の画面から行うことができますが、システムの裏側ではワシントン州の地銀である “Coastal Community Bank”の口座を利用する “BaaS”モデルを採用しています。同行はデジタル戦略として役員にデジタル金融の専門家を配置している他、専門部署を設けるなど、柔軟に対応できる体制を整えています。

ビル・ハリス氏は「大衆層をターゲットとするチャレンジャーバンクと、比較的裕福な人をターゲットとする銀行の間の中流的な世帯が、収支や借入を一つの口座で管理することで節約と所得が最大化できるように設計されている」と述べています。

本ブログで以前、米Uberが預金機能の提供をGreen Dot Bankから受け、決済や融資と組み合わせる事例をご紹介しました。今回、デジタル金融サービスにおける歴戦の人物が、資産管理でどのように新たな流れを起こすことが出来るのか、注目されます。

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